前回の記事では、産業医面談で「復職まで思っていたより時間がかかる」と知った話を書いた。
実は、その面談で印象に残ったのは、これだけじゃない。
52歳にして、課題図書を出されたことだ。
産業医の先生から、
「普段、読書はしますか?」
と聞かれた。
「します。」
「どんなジャンルを読むことが多いですか?」
「最近、自己啓発本的なのはあんまり読んでなくて、小説が多いんですよね。」
そう答えると、先生は、
「だったら、今後はぜひこの2冊を読んでください。」
と言って、本を勧めてくれた。認知行動療法とアサーションの本だった。
「わかりました。」
そう答えると、先生は続けた。
「読む場所なんですが、家だけじゃなく、ぜひカフェや図書館でも読んでみてください。」
「え、そうなんだ。」
これが、この日一番意外だった。
理由を聞くと、本の内容だけではなく、場所を変えても集中できるかも見ているのだという。
読書というより、集中力の確認テストらしい。
なるほど。
読書は趣味だと思っていたけれど、今回は復職準備の一つでもあるようだ。
続いて、リワークという選択肢についても説明を受けた。会社ではない第三者機関で、生活リズムを整えたり簡単な作業をしたりしながら復職を目指す制度らしい。施設によっては認知行動療法やアサーションを学ぶプログラムもあるという。
本格的な支度である。
ただ、その分、復職までの期間は延びる。
私は、
「本を読んで、規則正しい生活を送ることで代用できそうなら、今回はリワークなしでいこうかなと思います。」
と話した。
一番の理由は、復職までの期間をこれ以上延ばしたくなかったからだ。
すると先生は、
「それでいいと思います。」
と言ってくれた。
産業医が決めるものだと思っていたら、まさかの自己申告制だった。
さて、本はどうしよう。
まずは本屋さんへ行く。気になる本があれば、その場でメルカリを検索する。メルカリでもあまり変わらなければ、そのまま本屋さんのレジへ向かう。今すぐ欲しければ、Amazonを開く。
これはもう、療養生活で身についた反射である。以前なら欲しいと思ったらそのままレジへ向かっていた。今は、一呼吸置いてメルカリを検索する。
この動きは、この先もたぶんずっと続くと思う。
本屋、メルカリ、Amazon。三種の神器で完全装備したつもりでいたが、先生の勧めはもう一つ残っていた。
図書館である。
ただ、私は図書館が少し苦手である。本が嫌いなわけではない。静かな場所が嫌いなわけでもない。なんとなく、あの空気が苦手なのだ。
以前、一番近い図書館へ行ったことがある。でも結局、会員証も作らずに帰ってきた。
図書館とは、お互いもう少し距離を縮めてからお付き合いしたい。
だから今回は、たぶんカフェに行く。
家に帰ってから、ふと思った。
「この本を読んできてください。」
そう言われたのって、読書感想文以来じゃない?
52歳。
課題図書、まさかの人生二周目である。
感想文は、書かなくていいらしい。
ついでに気づいたこと
・52歳になっても課題図書はあるらしい。
・読書は趣味だと思っていたら、復職準備にもなるらしい。
・療養生活で身についた「本屋・メルカリ・Amazon」の使い分けは、思った以上に体へ染み込んでいた。



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