寝る前の反省会が脳に悪い理由|ヤンキー後輩を脳内に住まわせたら夜の自己嫌悪が消えた話

寝る前、会社で嫌なことがあった夜、ベッドの中で「一人大反省会」を開催していた。

主催者は私、参加者も私、被害者も私。
全く利益を生まないイベントである。

あれもダメだった、これもできなかった。
そうやって己を責め続けるのは、脳科学的にみても良くないことらしい。

なんでも、寝る前の30分から1時間、そして朝起きた直後の時間というのは、
脳が情報をきっちり焼き付けるゴールデンタイムだと言われている。

そんな大事な時間に「私はダメ人間です」と律儀に自己申告すると、
脳はそれを一生抱えていくべき大事な思い出だと勘違いして、
深く記憶に刻み込んでしまう。
当時の私はそのシステムを知らず、夜な夜な脳に呪いをかけ続けていた。
脳の無駄遣いもいいところである。

本だったかYouTubeだったか、もはや覚えていないのだが、こんな話を知った。
つらい時は自分の中に「親友」を作り出すといい、というものだ。

自分自身に対しては容赦なく鬼上司になるくせに、
大好きな親友が同じように「できなかった」と落ち込んでいたら、
「そんなことないよ、十分頑張ってたじゃない」と言うはずだ。
絶対に言う。断言できる。
なのに自分に対してはそれが一切できない。
この非対称、なかなかひどい。

その視点を持って、「いやいや何言ってるの、めっちゃ頑張ったじゃん、
私ならそれできないよ」と、自分を大げさに励ますようにした。
この親友の視点を持つだけで、驚くほど心が軽くなった。
人間、褒められると弱い。たとえ相手が自分でも。

この話を昔、Xでつぶやいたことがある。
すると、それで仲良くなった人からさらに面白いアドバイスをもらった。
「それもいいけど、脳内の仲間にヤンキーの後輩を増やすとすごくいいよ」と。

親友も十分に全肯定してくれるけれど、
ヤンキーの後輩はさらにユーモアがあって、面白さの次元が違う。
彼らは先輩を立てまくる一直線な存在なので、全力で全肯定してくれる。
しかも知性のフィルターをかけずに。

例えば、会社で色々とできなかったと落ち込んで脳内の後輩を呼び出すと、
彼はすかさずこう叫んでくれる。

「何言ってるんすか先輩!マジ尊敬す。
つーか、毎日会社に行ってる時点でヤバくないすか?
俺なんかそもそもパソコンも苦手っすから、先輩みたいに絶対無理っす。
マジで先輩のことリスペクトしかないっす!」

ここまで大げさに褒めちぎられると、真面目に悩んでいるのがばかばかしくて笑ってしまう。
しかもこれ、全部自分で考えているのだから、なお笑える。
親友も後輩も、結局全員自分が作り出したキャラクターだ。
でも「この後輩だったら絶対こう言うよな」と思うと、なぜか効く。
人間の脳は、わりと簡単に騙される。

さっきまで落ち込んでいたのに、「私の悩み、ヤンキーの基準だと
大英雄レベルなんだな」と、なんだかどうでもよくなってくるのだ。

しばらくの間、私の脳内にはこのヤンキーの後輩がしっかり常駐していた。
眠れるようになったらいつの間にか呼び出さなくなっていたのだが、
またちょっと呼び出してみようかなと、今これを書きながら思っている。

他人の失敗には仏のように優しくできるのに、
自分に対してだけはなぜかそれができない。
だったら脳内くらい、全肯定してくれる頼もしい仲間が
何人いたってバチは当たらないはずだ。

一人で反省会を開いてわざわざ傷つくのはもうやめた。
今夜も脳内の後輩に全力でヨイショされながら、気持ちよく眠ろうと思う。

【ついでに気づいたこと】
・寝る前に反省会を開くと、脳がそれを大事な記憶として刻み込むらしい。もったいない使い方かもしれない。
・自分には厳しくなれるのに、友達が同じことで悩んでたら絶対そんなこと言わない。この非対称、わりと誰にでもあるらしい。
・ヤンキー後輩のユーモアが加わると、深刻な悩みが一瞬でどうでもよくなる。真面目に悩み続けるのが難しくなる。

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