以前の記事で紹介した『マンガでよくわかる 怒らない技術』には、怒りを感じたときのために、
自分だけの言葉を持っておくといい、と書かれていた。
例えば、
「神様が自分を試している。」
「これは成長のチャンス。」
「勉強する良い機会。」
……うん。
そこまで人間はできていない。
「神様、今回は別の人を試してもらっていいですか。」
そう思ってしまった。
結局、私に一番しっくりきたのは、何年も前にXで見かけた、もっと軽い言葉だった。
「まあ、いいか。」
後から調べたら、これも「コーピングマントラ」というものの一種らしい。名前だけ聞くと、ちょっとした呪文みたいである。
ある日、午前指定の宅配便が20〜30分遅れた。
午後には予定があったので、少しずつイライラしてきた。
でも、そのとき、
「まあ、いいか。」
と思ってみた。
すると、不思議と頭が冷えた。
遅れないことばかり考えていたが、よく考えれば、連絡してごめんなさいすればいいだけの話だった。
そんな単純なことに気づいただけで、私って天才かもと思った。
イライラしていると、視野が狭くなるらしい。
ついでに、配達員さんも大変だろうと思って、冷蔵庫から麦茶を出しておいた。
ドアを開けると、配達員さんは汗だくだった。
その姿を見たら、さっきまでイライラしていた自分が急に申し訳なくなった。
待ち合わせさえなければ、たぶん怒ってすらいなかった。
結局、怒りの理由なんて、こっちの都合でしかない。
麦茶を渡すと、思った以上に喜んでもらえた。
それ以来、冷蔵庫にはお茶を常備している。
昔、車通勤をしていた頃もそうだった。
寝坊した日に限って、前の車が妙にのんびり走っている気がした。
「もう少し加速して!!!」
車間距離はちゃんと空けながら、前の車に念を送る。
もちろん、一度も届いたことはない。
でも、早起きして時間に余裕がある日は違う。
同じように前の車がゆっくり走っていても、
「今日は安全運転なんだな。」
くらいにしか思わない。
前の車は何も変わっていない。
変わっていたのは、私の時間の余裕だった。
そういえば以前、会社の後輩がこんな話をしてくれた。
免許を取ったばかりの頃、
「後ろから煽られると怖い。」
と、お父さんに相談したそうだ。
すると、お父さんはこう言ったらしい。
「煽ってくる人は、寝坊したか急いでるかのどっちかだろ。それはその人の事情。お前まで焦る必要はない。」
その話を聞いたときは、
「いや、私が遅刻しそうだったら、その人の気持ちも分かるけどね。」
と思った。
でも今なら、お父さんの言葉もよく分かる。
こんな話をしてくれる父親がいる後輩が羨ましいし、免許取り立ての頃の自分にも聞かせてやりたい。
結局、自分に合う「まあ、いいか」を見つけておくのが、一番の近道なのかもしれない。
【ついでに気づいたこと】
・怒りの理由は、案外こっちの都合であることが多い気がする。待ち合わせさえなければ、怒っていなかったと思う。
・コーピングマントラというものがあるらしい。名前は大げさだが、要するに自分に合う口癖を見つければいいだけの話らしい。
・イライラの最中は視野が狭くなる。落ち着いてから振り返ると、たいてい大したことではない。



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