最初にお伝えしておくと、これは私の会社の場合の話である。
会社によって制度はかなり違うと思う。
あくまで一例として読んでもらえればうれしい。
「最短で9月になります。」
産業医の先生のその一言で、私の頭の中にあった復職スケジュールは、
きれいに組み替えられた。
えっ、9月?
頭の中のカレンダーが、音を立てて2枚めくれた。
先月、主治医から復職可能診断書をもらった。
もちろん、診断書が出たからといって、翌日から会社へ行けるわけではないことは知っていた。
上長からも、
「産業医面談を受けて、必要ならリワーク、その後に復職審査委員会を2回経て復職になります。」
と説明を受けていた。
だから7月復職だとは思っていなかった。
ただ、自分の中では、
「産業医面談が終わって、委員会も進めば、8月くらいには4時間勤務かな。」
そんなイメージだった。
ところが、産業医面談で最初に説明されたのは、そのイメージとは少し違う現実だった。
会社で復職審査委員会が開かれるのは月一回。
その前に、クリニックで療養経過書を作成してもらったり、
自分でも振り返りシートを作ったり、ほかにもいくつか準備が必要になるという。
月1回。
つまり、一回逃したら丸々1ヶ月足止めを食らう、なかなか容赦のないペースである。
そして先生が言った。
「最短で9月になります。」
思わず、
「えっ、9月ですか?」
と聞き返してしまった。
すると先生は笑いながら、
「月1回なので、思ったより長いですよね。」
と言った。
まさに、その通りだった。
復職まで段階があることは知っていた。
でも、その一つ一つが思っていたより長かった。
復職って、もっと一直線に進むものだと思っていたのだ。
その後は、復職までの準備についても話を聞いた。
通勤訓練。
生活リズム。
体力づくり。
まるで新人研修である。ただし研修される側は新人ではなく、
何年も働いてきた自分だ。
リワークという選択肢もあるそうだ。
会社ではない第三者機関で、生活リズムを整えたり簡単な作業をしたりしながら
復帰を目指す制度らしい。施設によっては認知行動療法やアサーションを
取り入れているところもあるという。
本格的な支度である。
復職どころか、助走のための助走が必要らしい。
私は今回は利用せず、自分で生活リズムを整えながら進めることにした。
通勤訓練についても、
「明日からでも始めて大丈夫ですよ。」
と言ってもらった。
ただ、以前お金についての記事でも書いたが、私の場合、
休職中も会社の制度で給料はおおよそ7割支給されている一方で、
療養中は交通費が支給されない。
だから、通勤訓練を始めると交通費は自己負担になる。
復職の準備なのに、なぜか先にお金が出ていく。
助走にも通行料がかかるらしい。
「少し間隔を空けながら始めようと思います。」
そう伝えると、
「それでも大丈夫ですよ。」
と言ってもらえた。
最後に先生は、
「必要な期間だと思って、前向きにいきましょう。」
と言った。
必要なのは分かる。
焦って復職しても意味がないことも分かる。
でも。
面談が終わったあと、私の頭の中に残っていたのは、
「思ったより長い。」
その一言だった。
前向きに、9月。
【ついでに気づいたこと】
・復職可能診断書は、復職のスタートラインではなく、「復職準備」のスタートラインだった。
・復職まで何段階かあることは知っていた。でも、その一段一段は思っていたより長かった。
・月1回の委員会というペース、思っていたよりだいぶ容赦がなかった。



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