産業医面談で泣いた理由、あとから分かった話

前回の記事で、二回目の産業医面談について書いた。
復職審査に向けて、一年前の働き方や体調について質問され、最後には涙が出たと。

その時は、私も産業医の先生も、過去のつらかったことを思い出したから泣いたのだと思っていた。
先生も、「過去のことをたくさん思い出させてしまって、すみません」と言ってくれた。
私も、その場ではそうなのかなと思っていた。

ところが面談が終わって、その日のうちに思った。
「あれ、やっぱり私、なんで泣いたんだろう。」
泣いた本人による、涙の原因調査が始まった。
容疑者も目撃者も私である。

まず引っかかったのは、産業医の先生から「会社と本人の中立の立場」と言われたことだった。
私はそれまで、産業医の先生を自分の体調を守ってくれる、絶対的な味方のように思っていた。
そこへ突然の「中立」。
思っていたより、だいぶ真ん中だった。八割くらい味方だと思っていたのに、五分五分である。

次に、事前に提出した振り返りシートについて聞かれた。
私は休職に至ったきっかけとして、三つ書いていた。
「診断書と業務調整の不一致」
「業務負荷の増加」
「体調の悪化と不安の蓄積」
そのうえで、「自分にも何かできることがあったと思いますか?」と聞かれた。
必要な質問なのは分かる。分かるのだけれど。
その時の私は「自分にも原因があったんじゃないですか」と責められたように受け取った。

さらに、復職後の時間外勤務についての話になった。
私は以前から、時間外勤務をしないという診断書を二回出している。
本来、メンタルで休んだ人の時間外なしという制限は、問題なければ解除されていくものらしい。
でも私の場合は、残業しないでという診断書がずっと出ている状態で、そんな前例はないから会社判断だと言われた。
じゃあ、私は何のために二回も診断書を出したんだろう。
そして思った。
また、あの頭痛と耳鳴りに苦しむ毎日が戻ってくるのかな。

たぶん、ここだった。
一つひとつなら、その場で泣くほどではなかった。
でも、「中立」で距離を感じ、質問を責められたように受け取り、最後に「また同じことになるかもしれない」がやってきた。
三段重ねである。
私が怖かったのは、過去ではなかった。これからまた同じ苦しさが繰り返されるかもしれないことだったのだと思う。

面談が終わった日の夜、食欲がなくなった。
これは私にしては、まあまあの事件である。
買い置きしていたスープを飲んだくらいで気持ち悪くなり、その後も数日、あまり食べられなかった。
それなのに私は、「ダイエットにちょうどいいか。」と思っていた。
食欲不振を、減量ボーナスとして受け取っていた。
我ながら、解釈が雑である。
本人の分析より、胃と食欲の方が正直だったらしい。

自分の涙だから、自分が一番理由を分かっている。
そう思っていた。
そうでもなかった。

次の面談では、「過去を思い出して泣いた」というところを訂正して、本当は何が不安だったのかを伝えようと思っている。涙の訂正申請である。
涙の事情聴取、ようやく終了である。

【ついでに気づいたこと】
・泣いた本人でも、泣いた理由をその場では分かっていないことがあるらしい。
・「中立」という一言を、私は思っていた以上に重く受け取っていた。
・数日食欲がないのに「ダイエットにちょうどいい」と処理していた。そこはいつもの私だった。

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