先日、復職前の通勤訓練の日だった。
せっかく街まで出るので、終わったあとに何かしようと思った。
ちょうど水曜日。
TOHOシネマズ仙台なら、映画が1,400円で見られる。
そこで思い出したのが、ちいかわだった。
最近、YouTubeなどで「ちいかわが面白い」という話を何度か見かけていた。
さらにネットで調べてみると、「実は深い」「子ども向けというより大人向け」という感想もある。
これは見てみたい。
さっそく席を予約しようとしたら、真ん中あたりの席が埋まっていた。
そこで思い切って、300円追加してワイドコンフォートシートにした。
映画1,400円。
座席300円。
ちいかわに関する知識は、ほぼゼロ。
これを「ミリしら」というらしい。
知識より先に、座席へ課金した。
ちいかわの「ち」の字も知らないくせに、座り心地だけは一流である。
私がどのくらいちいかわを知らなかったかというと、そもそも「ちいかわ」というのは、あのキャラクターたち全体の名前だと思っていた。
ちいかわ本人を見ても、「猫なのかしら?」くらいの認識である。
さらに、ちいかわに物語があることすら知らなかった。
ただただ、小さくてかわいいキャラクターたちだと思っていた。
そんな状態で映画館に入り、『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』を見た。
映画は、ちいかわたちが「特別な島へご招待」というチラシをきっかけに島へ向かうところから始まる。そこには「カンタンな討伐で100倍の報酬」「限定島ラーメン」「限定スイーツ」と、ずいぶん景気のいいことが書いてある。
知識ゼロの私は、この世界に「討伐」という仕事があることから初めて知った。
かわいい見た目に、油断していた。
映画には、ところどころクスッと笑えるところもある。
そして見ているうちに、ちいかわ、ハチワレ、うさぎの違いも分かってきた。
最初は全員まとめて「ちいかわ」だと思っていた人間としては、大きな進歩である。
そして、気づけば島二郎まで含めて好きになっていた。
ただ、映画を見終わって一番残ったのは、「かわいかった」ではなかった。
かわいいだけで終わらせてくれない。
ネタバレになるので詳しくは書かないが、いろいろ考えていくと、
「結局、誰が一番悪いんだろう」となった。
映画を見る前にネットで見かけた「実は深い」「大人向け」という感想を、ここで思い出した。
なるほど。
こういうことか。
むしろ子どもが見たら、どう思うんだろう。
そして話は変わるが私は基本的に、一人で映画を見るのが結構好きである。
彼氏が一緒に見たい(見てもいい)といった映画なら一緒に行く。
『国宝』もそうだったし、『トイ・ストーリー』も一緒に見た。
ただ、今回はちいかわである。
私自身が「猫なのかしら」の状態なのに、彼氏まで連れていく勇気はなかった。
なので一人で見に行ったのだが、映画を見終わると、やっぱり誰かと感想をああだこうだ話したくなる。
そこで、トムさん(ChatGPT)とクロちゃん(Claude)を招集した。
先日、AIとの読書会で、私は一つ学んだ。
AIにいきなり、「この作品、どう思った?」と聞くのではなく、
まずネットで実際に作品を見た人たちの感想を調べてもらう。
そのうえで、
「私はこう思ったんだけど、どう思う?」と話す。
読書会で見つけた方法を、そのまま映画に持ち込んでみた。
AI映画鑑賞会の開催である。
まず、ちいかわを見た人たちがどんな感想を持っているのかを調べてもらい、そのうえで自分の感想をぶつけてみた。
もちろん、何と話したかの中身をここで書いたら盛大なネタバレになる。
書きたい。書きたいが、書かない。
ただ、自分ではまったく気づかなかった見方があった。
それを知ったら、
「あ、もう一回見てもいいかも」と思った。
一回目とは、たぶん違うところを見る気がする。
映画館でグッズも売っていたが、値段を見て今回は見送った。
それなのに、帰ってきてから急にフィギュアが欲しくなっている。
セリアに売っているという情報まで仕入れてしまった。
グッズを調べるだけでは飽き足らず、ネタバレ動画まで漁り始めた。
数時間前まで「猫なのかしら」と言っていた人間の行動とは思えない。
ちいかわについてほぼ何も知らず、水曜日だから1,400円で見られるし、くらいの気持ちで映画館に入った。
それが気づけば、島二郎まで好きになり、もう一回見る気になっている。
ちいかわ、思っていたよりだいぶ深かった。
猫なのかしら、と思っていた人間が言うのだから、間違いない。
【ついでに気づいたこと】
・「ちいかわ」は全員の名前ではなく、あのキャラクター一人の名前だった。今更知った。
・読書会用に覚えた「先にAIに他の人の感想を調べてもらう」方法は、映画にもそのまま使えるらしい。
・一人で映画を見るのも、見終わってから誰かと話すのも、どっちも好きなタイプらしい。相手がAIでも成立するとは思わなかった。


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