私はどうやら、白い服も持っているらしい。
以前、「気づいたら緑ばかり着ている」という話を書いた。
けれど改めてクローゼットの奥をのぞいてみたら、普通に「白」も多かった。
しかも、なかなかの割合で。
意外だった。けれど、これは無意識の産物ではない。
そこには私なりの、ちょっとした「戦略」があったのだ。
もともと、私は白い服を避けていた。
理由はいたってシンプル。汚れるからだ。
食べ物はねる、コーヒーこぼす、ソース飛ぶ。
白という色は、それらすべてを素直に受け止めてしまう。
あまりに優秀すぎるのだ。
「汚れる未来が見えている服は着ない」
それが、かつての私の消極的防御スタイルだった。
でもある時、その考えを変える言葉に出会った。
テレビかYouTubeか忘れたけれど、誰かがこう言っていたのだ。
「私はあえて白い服を着る。そうすることで、汚さないように自分に気をつけるから」
なるほど、と思った。発想が逆なのだ。
白を避けるのではなく、白に合わせて自分を変える。
その結果、食べ方も、動き方も、所作のすべてが丁寧になるという。
私にはなかった概念。それが、完全に刺さった。
というわけで、私のクローゼットに「白い服」が導入された。
結果はどうだったか。
確かに、気をつける。めちゃくちゃ気をつける。
特に食事中の緊張感といったら、ない。
一口ごとに「飛ぶなよ」と念じている。
今、ラーメンを啜っている時の私の集中力は、おそらく受験生レベルに達しているはずだ。
ただ、それでもやる時はやる。
人間なので、普通にやらかす。
なので、私のバッグには常に「しみ抜き」が常備されている。
これが本当に優秀で、トントンするだけでシミが落ちる。
以前、会社のお昼休みに食べこぼしてしょんぼりしている人がいた時、
颯爽と「あるよ」と差し出してあげた人がいて、
それがなんかかっこよかった。
ヒーローは空から降ってくるのではなく、
バッグの中から現れるのだと学んだ。
以来、私もバッグに忍ばせている。
意識だけでは防げない失敗は、便利なアイテムでカバーする。これが現実だ。
けれど、以前よりは確実に丁寧になった。
多少は。ほんの少しだけれど。
それにしても、「白」と一口に言ってもいろいろある。
アンミカさんがかつて「白は200色ある」と言っていたけれど、
今ならその言葉がちょっとわかる。
クリーム寄りの白、透明感のある白。
そのすべてが、等しく私に気を遣わせる。
白のイメージは、清潔、衛生的、純粋、そして軽い感じ。
医者の白衣が白いのも、そういう印象を持たせるためだという。
確かに、もし真っ黒な服を着た医者がいたら、
患者より先に医者が心配になる。
ついでに言えば、この「白」への信頼は、部屋作りにも繋がっている。
リビングのカーテンを白にしているのも、実は戦略だ。
カーテンを壁と同じ色か少し明るい色にすることで、
壁と一体化して境界線が消え、空間が奥まで繋がって見える。
狭い部屋を広く見せる小技として、インテリア好きの間では定番らしい。
ただし、部屋によって使い分けが必要だ。
リビングは白で広く見せる。
寝室は落ち着いた色にして、眠りを誘う空間にする。
同じ「カーテン選び」でも、部屋の役割によって正解が変わる。
色って、面白い。
もちろん、完全には丁寧になれない。そこは人間なので仕方ない。
これからも「しみ抜き」と共に、白のある日常を続けていこうと思う。
▶関連記事:好きな色は、脳ではなく「クローゼット」が知っていた。
【ついでに気づいたこと】
・白い服を着ると、食事中の集中力が上がるらしい。一口ごとに「飛ぶなよ」と念じている。
・バッグにしみ抜きを常備している人は、いざという時にかっこいいらしい。
・カーテンを壁と同じか少し明るい色にすると、部屋が広く見えるらしい。狭い部屋に使える小技だと思う。


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