副業をやりたいと思っていた。
思っていただけで、ずっと何もしていなかった。
私は「やりたい」と思うだけで、なかなか行動に移さないタイプだ。
ブログしかり、メルカリしかり。
やりたいことリストだけが、静かに育っていった。
ある日、YouTubeで「稼げる副業ランキング」的な動画を見た。
その中にLINEスタンプが入っていた。
しかも画像生成AIを使えば簡単に作れるという。
面白そうだし、時間もある。
ちょっと作ってみようかな。
そんな軽い気持ちで始めたのが、この長い旅の始まりだった。
最初のキャラクターは、猫ではなかった。
時期は年末。干支のスタンプを作れば、年末年始の需要があるんじゃないかと思った。
ManusというAIを使い、何度もやり直し、やっとの思いでいい感じの馬の画像を作った。
「このシリーズで行こう」と思った直後、気づいた。
……もう年末じゃないか。
みんな既に準備を終えている頃ではないか。
審査もあるし、間に合うわけがない。
慌ててChatGPTとGeminiに相談したら、2人とも即答した。
「そうですね、もう遅いかもしれません」
……だったら最初から言ってくれ。
さっきまでいいねいいねって言ってたじゃないか。
AIの「いいね」は、あてにならない。
これが最初の教訓だった。
気を取り直して、次のキャラクターを考えた。
自分が好きなものがいい。猫にしよう。
猫の画像をいくつか作った。
「すごくいいですね」「これは売れますよ」と2人は言う。
でも一晩寝てお風呂で考えたら、気づいた。
……これ、ただの猫じゃないか。
スタンプの海に放り込んだ瞬間、埋もれるんじゃないか。
またChatGPTとGeminiに聞いてみた。
「そうですね、特徴がないと埋もれるかもしれません」
だから、それを。最初に。言ってくれ。
何か特徴が必要だ。蝶ネクタイ、尻尾の形、いろいろ考えた末、思いついたのが眼鏡だった。
彼の妹さんの家にいる猫たちの愛くるしさをイメージに、
眼鏡をかけた、ムチムチもちもちのフォルムの猫を目指すことにした。
名前はChatGPTとGeminiに相談して「ぷくまる」に決まった。
ここまで来るのに、何十個のボツ画像を作ったかわからない。
Manusの無料プランはすぐに一日の制限がかかる。
いい感じに波に乗ってきたところで「今日はここまで」になる。
翌日続きをやろうとすると、昨日の流れが途切れている。
なかなかに、つらかった。
やっと形になった時、深い溜息が出た。
これが正解かどうかはまだわからなかった。
どう思う?と聞いても、2人は絶対肯定マシーンと化しているから何の参考にもならない。
それでも、ぷくまるは生まれた。
ちなみに最初は16個作るのが精一杯だった。
今は40個がデフォルトになっている。
あの頃の私に教えてあげたい。
でもきっと信じないだろう。
【第二回へ続く】
【ついでに気づいたこと】
・AIの「いいね」と「それは難しいかもしれません」は、どちらも後出しで来るらしい。最初から言ってほしい。
・キャラクターに「特徴」がないと、スタンプの海に埋もれるらしい。眼鏡一つで全然違うと思う。
・画像生成AIの無料プランは、波に乗ってきたところで制限がかかるらしい。絶妙なタイミングだと思う。



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