4時間勤務で会社に戻って、気づけば適用観察も4週間目に入った。
早い。
適用観察とは、会社に戻ったあとの再発防止のための期間のことである。
要するに、私の生態観察である。
最初の1か月は4時間勤務。
もうすぐ6時間勤務が始まる。
そんなタイミングで、久しぶりにクリニックへ行った。
先生に近況を聞かれたので、4時間勤務で会社に戻ったことを報告した。
たまに頭痛や耳鳴りはある。
でも薬を飲むほどではなく、今のところは想定内である。
ただ、一つだけ気になっていることがあった。
適用観察中は、無遅刻・無欠席を求められている。
6時間勤務の2か月間も含めて、休むとフルタイム復帰が延びる可能性があると言われている。
休む理由は問わない。
風邪でも、インフルエンザでも、忌引きでも、頭痛や耳鳴りでも、休めば同じ「1」である。
インフルエンザと忌引きが、同じ重さで数えられる世界である。
50代にして、皆勤賞レースに再エントリーである。
これが、結構プレッシャーになっていた。
頭痛がしても、耳鳴りがしても、我慢して働き続ける。
それを続けた結果、休職した。
そして今、適用観察中は
「無遅刻・無欠席で」
と言われている。
一周して戻ってきた。
休まなかったせいで休職した人間に、今度は「休まないでね」である。
なかなか味わい深い。
無遅刻・無欠席の話を先生にすると、
「え、そうなの?」
という反応だった。
そこで聞いてみた。
「他の会社も、こういうものなんですか?」
会社によるとはしつつ、
「あんまり聞かないかな、このケース」
とのことだった。
あれ。
先生いわく、こういう仕組みは会社と産業医で相談して決めているはずだという。
うちの会社は、病気休暇になったら全員同じ仕組みで、個人ごとの事情は特にない。
それを産業医がOKしている、ということになる。
病気は人それぞれなのに、戻り方はセットメニューである。
さらに、リモート勤務の話もした。
以前、上長から「産業医としてはリモートより出社したほうがいいらしい」と聞いていた。
それを先生に話すと、
「リモートできるんでしょ?」
できる。
だったら最初の1週間くらいは出社したほうがいいとは思うけど、その後は半分くらいリモートでもいいんじゃないか、型にはめずにという話になった。
ですよね。
先生の中の「産業医、うーん」が、また一つ増えた。
私の中でも増えた。
仲良く育てなくていいものだけが、順調に育っている。
診察は終了。
薬は前回3種類から1種類まで減らしてもらっているので、今回もその1種類だけもらって帰った。
数日後、今度は上長との面談があった。
産業医面談が近いので、その前に二人で意識合わせしておこう、という趣旨である。
最近の体調を話したあと、
「そういえば、クリニック行ってきたんだよね」
と、先生との話をそのまま報告した。
もともと上長も産業医には少し疑問を持っていたので、
「だよね」
で終わった。
説明、ほぼ不要。
主治医。
私。
上長。
なんとなく全員で、
「……あの産業医、微妙だよね」
という空気になっている。
私は、
「次の産業医面談、完全に無の顔になってたらどうしよう」
と言って、二人で笑った。
そして私から、
「そういえばさ、来週から6時間勤務なんだよね」
と言った。
上長は、
「あ、そうだっけ。そうだそうだ。不安ある?」
と聞いた。
不安がないと言えば嘘になる。
でも、
「まあ、2時間伸びるだけかなぐらいに考えてる」
と答えた。
実際、今はそれくらいに考えている。
ただ、本音を言えば。
4時間勤務、かなり快適だった。
今の私は、
「早くフルタイムでバリバリ働きたい」
というモードでは、まったくない。
できれば4時間勤務、もう少し続いてくれないかな。
フルタイム復帰への階段を上っているはずなのに、私は一段目に住み着こうとしている。
6時間勤務が不安というより、
4時間勤務が終わるのが惜しい。
そこまでは言わなかった。
一応、社会人なので。
【ついでに気づいたこと】
・主治医と上長に同じ話をしたら、二人とも同じところで引っかかった。私が一人で気にしすぎていたわけではなかったらしい。
・「会社の決まりだから」と飲み込んでいたことも、主治医に聞いてみたら「あんまり聞かない」だった。聞いてみるまで分からないものらしい。
・6時間勤務への不安より、今のところ「4時間勤務、終わるの惜しい」が勝っている。フルタイム復帰への意欲とは別問題らしい。


