先日の記事で、「適用観察」について書いた。
病気休暇から会社に戻ったあと、短い勤務時間から始めて様子を見る期間のことである。
観察されているのは、私である。
私の場合は、4時間勤務から始めて、次は6時間勤務。
その間の勤務状況を見ながら、最終的にフルタイム復帰を目指す。
私が引っかかっていたのは、この勤務時間ではない。
この期間中、「無遅刻・無欠席で」と言われていることだった。
前回書いた通り、メンタルクリニックの先生の反応は「あんまり聞かないかな、このケース」だった。
さらに、こういう制度には産業医が深く関わっているはずだという。
それなら、本人に聞いてみるしかない。
ちょうど3回目の産業医面談がやってきた。
まずは会社に戻ってからの体調について一通り聞かれた。
この1か月、遅刻も欠席もなし。
4時間勤務も、時間を持て余すことなく過ごせている。
先生からも、かなり順調だと言われた。
プレッシャーのほうも、順調に育っている。
そして、ここからが私の本題である。
「適用観察中、休めないと思うこと自体がプレッシャーなんです」
そう伝えると、先生が言った。
「適用観察の仕組みと復職審査委員会を一回説明するね」
それは知っている。
たぶん、この時点で私の顔は完全に「無」だったと思う。
説明を聞いたあと、言い直した。
段階的に増えていく勤務時間が嫌なわけではない。
約1年休んでいた人間が、戻った途端に「今度は休めない」と思いながら働く。
その落差がきついのだ。
すると先生が言った。
「休める期間は勤続年数によって違うんです」
そうなんですね。
……いや、そこでもない。
また説明する。
また少し違うところに着地する。
日本語って、こんなに難しかったっけ。
リモート勤務についても話した。
先生からは、復職審査では通勤できているかも見るため、出社することも必要だと言われた。
それは分かる。
ただ、通勤には体力を使う。
しかも、インフルエンザがもう流行り始めている。
冬を待つ気はないらしい。
人混みに出れば、もらうリスクも上がる。
そもそも私は休職前からリモート勤務もしていた。
通勤を頑張りすぎて、疲れて体調を崩したら本末転倒である。
今は半分くらい出社して、あとはリモートにするくらいがいい。
そう伝えると、「わかりました」と言ってもらえた。
本日初の、一発着地である。
そして、もう一つお願いした。
病気で休職する人は多い。
全員分のオーダーメイドを作れとは言わない。
でも、病気になったきっかけも、症状も、人によって違う。
私も休職するまでは、こんなことを考えたこともなかった。
当事者になってみて初めて、「ここ、結構きついです」という場所が見えてきたのである。
「こういうふうに感じている当事者がいることを、ぜひ伝えてほしいんです」
最終的に先生から、総務と話す機会があるので、その時に伝えてみると言ってもらえた。
少しホッとした。
何度も的を外されたが、言い続けた甲斐は、たぶんあった。
面談の終わり頃、次の次の面談から後任の先生に代わると言われた。
妊娠されているのだという。
「おめでとうございます」と伝えた。
言いたいことは、もう全部言ったあとだった。
何度も言い直した相手は、妊婦さんだったのである。
強い言葉は、一つも使っていない。
それでも、少しでもストレスがかからないように気遣わないと、と思った。
子どもは日本の宝である。
【ついでに気づいたこと】
・「制度を理解している」と「その制度がしんどくない」は、別の話らしい。
・伝わらないと、「私の説明が悪いのか?」という新しい悩みまで発生する。
・何度か的を外されても、言い続けると届くこともあるらしい。


