【最終回】AIでLINEスタンプを30セット作った売上のリアル|「謝りながら麺を差し出す」AIと戦った一年間

一年前、会社の会議室。
「LLMに噛ませて分析したら?」というお上の指示に、
LLMってなんだとパニックになりまずググった私が、
まさかAIと格闘して何十種類ものスタンプを世に出すことになるとは、
自分でも驚いている。

LLMとは「大規模言語モデル」の略で、
簡単に言うと「AIが言葉を理解して返答する仕組み」のことだ。
ChatGPT、Gemini、Copilotは全部これを使っている。
当時の私には、その言葉すら知らなかった。

全5回にわたってお届けしてきたこの連載も、今回が最終回だ。


この連載と並行して、ぷくまる兄のダジャレスタンプ40種類を作っていた。

ここでAIのギャグセンスに頭を抱えることになった。

「謝罪のダジャレを」と頼んだら、返ってきたのが「ごめんそう(ラーメン)」。
謝りながら麺を差し出す。斬新すぎるが、ダジャレとしては落第だ。

他にも、こんなラインナップが届いた。

「いい感じじゃがいも」
「アルミ缶の上にあるミカン。」
「カレーは華麗だネ。」
「それなスイカ」
「たのむサーモン。」

ダジャレというより、もはや謎の文だ。
しかもスタンプとして使う場面が1ミリも思い浮かばない。
「どこがかかっているのか!」と真顔で突っ込みながら、
結局40種類を自分の手で完遂させた。


その後、生成AIパスポートの試験を受けた。

試験勉強を通じて、ようやく「あいつ」の正体を知ることになる。

あんなに指示を無視して画像を出しまくったのは、
嫌がらせではなくAIの性質だったこと。
私のプロンプトがああだったから、あいつもああ返すしかなかったこと。
お上の言っていた「LLM」という言葉の意味が、
ようやく自分の言葉として理解できた。

一年前のパニック状態からは、確実に進歩した。


ただ、現実は切実だ。

この連載を通して、AIと死闘を繰り広げ、
30セット以上のスタンプをリリースしてきた。

売上は、ほぼゼロだ。

最初に買ってくれたのは姉だった。
その後、母が爆買いしてくれた。
「ユイのスタンプ、お母さん買いたい」と言うので、
操作できない母の携帯を私が操作して、
母のスマホに私が作ったスタンプたちを何種類かインストールした。
なんとも言えないシュールな光景だった。

他にもYouTuberのペソさんの縁で知り合った友人、
彼の妹さんも買ってくれた。
あとはほぼ自分で買って人にプレゼントしている。
収支を計算するのが恐ろしい。

よかったら覗いてみてください。
ユイのLINEスタンプはこちら


AIは魔法の杖じゃない。
「ごめんそう」なんて言ってくる、ちょっと抜けた、
でも一緒に戦ってきた相棒だ。

知り合い以外にも買ってもらえる日が来るのかどうか、
それはまだわからない。

でもまあ、続けてみようと思う。
たぶん。

【ついでに気づいたこと】
・AIがおかしな動きをしていたのは、嫌がらせではなくAIの性質だったらしい。プロンプトがああだから、ああ返すしかなかったらしい。
・「ごめんそう(ラーメン)」は謝罪のダジャレとして届いた。使う場面が1ミリも思い浮かばなかった。
・母が爆買いしてくれたスタンプを、母のスマホに私が操作してインストールした。なんとも言えない光景だったと思う。

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