復職初日は、大雨でリモートになった。
正直、ちょっとホッとした。
出社が一日延びた。これで少し気持ちの準備ができる。そう思っていた。
ところが、その日の夜。明日は本当に出社する。そう思ったら、またドキドキしてきた。
「あれ。これなら今日出社しておけば、もう終わってたのでは」
緊張も一緒に延期されていた。
そして翌朝。ドキドキは、いつの間にか消えていた。
普段は朝の出勤時や昼休憩に、他部署の知り合いによく会う。
この日は、ほとんど誰にも会わなかった。
こういう日に限って、である。
少し不安になりながら歩いていると、部長に会った。
「じゃあ一緒に入ろうよ」
そう言って、一緒に職場へ入ってくれた。
約1年ぶりの職場だった。みんな笑顔で、
「待ってましたよ」
と迎えてくれた。嬉しかった。
その後も、会う人会う人、
「待ってたよ」
「心配してたよ」
と声をかけてくれた。みんな、笑顔で迎えてくれた。
1時間ほどすると、大部長が出社してきた。
続いて、各担当部長たちも次々と。
歓迎ラッシュ、第二波である。
それぞれに「お久しぶりです。今日からまたよろしくお願いします」と挨拶をして回った。
大部長には、実は通勤訓練(復職前に、試しに会社まで来てみる日)の日にも、会社に入った瞬間に会っていたことを伝えた。
「え、そうなの?」
そんな話をして笑った。
心配していた約1年ぶりの出社は、思っていたよりずっと普通に始まった。
ただし、別の問題が発生した。
眠い。
午前中、いくつかの会議を聞いていたら、とにかく眠くなった。本気で眠い。
「Copilotに眠気を覚ます方法を聞こうかな」
と思うくらい眠かった。
そんな状態で、なんとかお昼になった。
ご飯を食べたら、もっと眠くなるんじゃないか。
そう思っていたら、ランチに誘われた。
「12時ドンで、行きたかったランチあるから行こう」
プライベートでも遊ぶくらい仲のいい人である。行く。即決である。
本当に12時ドンで会社を出た。
ご飯を食べながら、今は14時までの勤務で、まだ責任のある仕事もなく、まずは慣れる期間だという話をした。
すると、
「めっちゃみんなに気使われるやつやん」
そうなのである。
「そうなの。私、めっちゃ気使われる類なのよ。申し訳ないんだよね」
二人で笑った。
こうやって普通にいじってくれるのが、すごく嬉しかった。
午後はWeb会議もなかったので、Slackを見ていた。すると、久しぶりに自分宛てのメンションが来た。簡単な依頼だった。それでも、
「あ、私宛てだ」
と思った瞬間、目が覚めた。急に覚醒した。
午前中、Copilotに眠気の相談をしようとしていた人間である。
仕事、強い。
そのまま14時まで過ごして、約1年ぶりの出社は終了した。
今日はもう、ご褒美にコーヒーくらい飲んでいいだろう。
最近お気に入りのサンマルクカフェに入った。
コーヒーを飲んで、ひと息つく。
あれ、眠い。
最近、突然ものすごい眠気に襲われることがある。
しかし、ここで寝るわけにはいかない。
昼寝をしたら、夜眠れなくなるかもしれない。
そもそも、ここはサンマルクカフェである。
寝る場所ではない。これは歩いて目を覚ますしかない。
Sコーヒーを急いで飲んで、店を出た。
復職して、新しい戦いが始まった。
仕事ではない。眠気である。
【ついでに気づいたこと】
・出社を一日延ばしてホッとしたけれど、緊張まで一緒に延期されていた。
・「待ってたよ」は、思っていたより効く言葉だった。ただいまより先に、おかえりを言われた気分だった。
・猛烈に眠かったのに、自分宛ての仕事が来たら目が覚めた。役割は、Copilotより先に効いた。

