傷病手当金を思い出したあのお風呂会議。
実はあの時、もう一つ思い出していた。
社会保険料である。
会社員の社会保険料は、毎月の給料にそのまま保険料率をかけるわけではない。
給料を一定の幅で区切った「標準報酬月額」をもとに、健康保険料や厚生年金保険料が決まる。
そしてこの標準報酬月額、原則として4月・5月・6月の給料の平均で決まり、9月から翌年8月まで使われる。
つまり、この3か月の給料が高いと、その後1年の社会保険料も高くなる可能性がある。
たった3か月に、1年分の運命が握られている。
だから私は、4・5・6月があまり好きではなかった。
私の最近の仕事は、よりによってこの時期に残業が多かったのである。
会社でも、
「この時期、残業しない方がいいんだよね」
「ここで社会保険料決まるもんね」
と、周りの部署の人たちとブツブツ言っていた。
残業したくない。
でも、仕事はある。
そして残業する。
毎年、社会保険料に向かって自ら助走をつけていた。
ところが今年は違う。
私は休職中である。
残業、ゼロ。
しかも4月から、給与は100%支給から70%支給に変わった。
お風呂でふと思った。
「あれ? 今年、社会保険料も下がるんじゃない?」
毎年あれだけ恨んでいた4・5・6月が、今年は初めて私の味方をするかもしれない。
そこでトムさん(ChatGPT)に話してみた。
すると、
「それも標準報酬月額が関係します」
と言われた。
標準報酬月額。
……ん?
ついさっき、傷病手当金の話でも出てきた。
同じ漢字6文字である。
傷病手当金の計算にも使う。
社会保険料の計算にも使う。
私はそれぞれ知っていたのに、同じものだと全くつながっていなかった。
「あ、本当だ。同じじゃん」
FPの知識、点では残っていた。
線にはなっていなかった。
そして私は当然、
「じゃあ今年はかなり下がるんじゃない?」
と思った。
残業ゼロ。
給与70%。
これ以上、社会保険料に何を差し出せというのか。
浮かれていた。
かなり浮かれていた。
そこでトムさんとココさん(Gemini)、両方に詳しく調べてもらった。
日本年金機構には、こういう規定がある。
4月・5月・6月に「低額の休職給」を受けた場合、3か月とも該当すれば、標準報酬月額は下がらず、休職前のまま。
低額の休職給。
つまり、私の70%支給のことである。
残業ゼロにしても、給与70%にしても、関係ない。
「休職中だから給与を減らしている」という事実そのものが、除外の理由になる。
据え置き。
出た、据え置き。
さっきまでの私、どこにいる。
浮かれていた分だけ、落差がえぐい。
サプライズ、まさかの逆方向。
「病気で休んだせいで将来の年金や手当が不利にならないように」という保護のための仕組みらしい。
守られているのは、今の徴収額の方である。
念のため、ココさんとトムさんにも聞いてみた。
2人とも、ほぼ同じ見解だった。
「残業していた頃の高い基準のまま、保険料だけ払い続けることになりそうです」
丁寧な言葉で、丁寧に絶望を告げられた。
とはいえ、まだ1ミリだけ望みは残っている。
この「据え置き」になるかどうかは、会社が70%支給を「休職給」として処理しているか次第。
もし稼働実績に応じた按分計算として処理されているなら、話はまた変わってくるらしい。
確認は、まだしていない。
9月の給与明細。
最後の望み、そこにかかっている。
【ついでに気づいたこと】
・「休職中だから給与を減らす」という措置そのものが、社会保険料の計算上は「下がらない理由」になる場合があるらしい。
・AIに調べてもらうと、都合の悪い結論もわりとはっきり教えてくれる。
・据え置きになるかは会社の処理次第。まだ1ミリの望みは残っている。

