前回の記事で、産業医から勧められたことがきっかけで、G検定の勉強を始めた話を書いた。
あの時すでに、AIの皆さんから同じ答えをもらっていた。
「まずは公式テキストを1周してください。」
理解しようとしなくていい。
分からなくてもいい。
とにかく最後まで読むこと。
3人がかりで、念を押された話である。
……テキストの方は、素直に守った。
次は問題集で往復学習をする番だったのだが。
公式テキストは447ページ。
分かるページなど、ほぼ無かった。
生成AIパスポートで「もう分かった気」になっていた私に、テキストは「その程度で満足してもらっちゃ困ります」と言わんばかりに難易度を上げてきた。
「?」しか出てこない。
なぜこの検定を受けようと思ったのか、本気で後悔した。
途中で止まって調べたくなる。
だが、そのたびに
「今は読めばいい。」
という声が脳内で再生され、強制的にページをめくらされた。
こうして、何とか1周。
中身は伴っていない、名ばかりの実績である。
理解度は、聞かないでほしい。
447ページ開いたことだけは、自信を持って言える。
「よし。次は問題集だ。」
そう思って開いた。
405ページもある問題集である。
だから私は勝手に思っていた。
最初の1問くらいは、
「まずは肩慣らしです。」
そんな感じで始まるものだと。
ところが、1問目。
「次の文章を読み、空欄に最もよく当てはまる選択肢を選べ。」
普通だ。
そう思って選択肢を見る。
……4つある。
しかも、その4つを全部当てないと正解にならない。
1つでも外したら不正解。
1問目からである。
「この試験、なめて来るなよ。」
問題集から先制パンチを食らった気分だった。
どうにか答えて、恐る恐る答え合わせをする。
半分正解。
……ずるい。
完全に心を折るほどではない。
でも、「案外いけるかも」と思わせるほど甘くもない。
最初に試験の厳しさを見せつけておいて、最後に少しだけ希望を残す。
問題集、人の心を折る寸前で止めるのがうまい。
その後は、分からない言葉との戦いだった。
出てくる単語が、とにかく分からない。
そのたびにクロちゃん(Claude)に聞く。
「これって何?」
「じゃあ、これは?」
せっかくだから忘れないようにしようと思って、家に余っていた単語帳を引っ張り出した。
我ながら、いい勉強法だと思っていた。
クロちゃんもそれいいねと言ってくれた。
単語帳は、あくまで補助のはずだった。
ところが分からない言葉が湧き水のように出てくるので、ページはあっという間に量産された。
気づけば、そっちが本業になっていた。
ところが、ふと気づく。
……あれ?
私、問題集が全然進んでない。
またクロちゃんに聞いてみた。
すると返ってきたのは、こんな内容だった。
「今のやり方、根本から理解するのはすごく強い勉強法です。でも全部をこの深さでやると詰みます。」
詰む、、、
だよね、とは思った。
「じゃあ、どうしたらいいの」
聞いてみると、こう返ってきた。
「1周目は流していい。何度も引っかかる用語だけ、2周目以降で深く理解しましょう。」
新しい提案だった。
……よく考えたら、「往復学習」を「単語帳制作」にまで拡大解釈したのは、私である。
どうやら、このまま行くと本当に終わらないと判断され、止めに入られたらしい。
分からなくても止まらない。
今の目標は、とにかく最後まで問題集を1周すること。
勉強を始めて10日ほど。
不思議なことに、最初は1ページ読むだけで眠くなっていた私が、今は眠くならなくなった。
理解力が上がったわけではない。
相変わらず分からない言葉は山ほど出てくる。
今のところ、一番成長したのは理解力ではなく、開き直る力である。
447ページ分の、地味な副作用である。
【ついでに気づいたこと】
・単語帳は、あくまで補助のはずだった。分からない言葉が湧き水のように出てきて、気づけばそっちが本業になっていた。
・「マジで詰みます」とAIに真顔で言われる日が来るとは思わなかった。人間、AIに詰むと言われたら、意外と素直に聞く。
・「分からない」に慣れただけなのに、なぜか問題集を開くハードルは下がった。理解力ではなく、諦めの境地が上がっただけである。



コメント