3年間ブログを放置してサーバー代を払い続けた私が、AIの音声入力で再起動できた話

ブログを始めた。 正確に言うならば、3年越しの「始め直し」である。

3年前に作ったブログのヘッダーには、ひまわりの写真が飾られていた。 そのひまわりは今、もういない。リニューアルと同時に静かに姿を消した。 別れを告げる間もなかった。先に行ってしまったのか、愛想を尽かしたのか。

残されたのは文字だけのヘッダーと、3年分の空白だ。

実はこれ、初犯ではない。3年前、当時の私は漲るやる気と共にWordPressを契約した。

ちなみにこの時、親切な知人から「まずやれるかどうか無料のやつで試してみればいいのに」と言われた。
私は思った。何言ってんのかこの人、と。
やる気満々の私に、そんな弱気な助言は不要だった。絶大な自信があった。絶対続けますよ、と。

その自信を胸に、私が完成させたのは「ひまわりの写真が載ったヘッダー」のみ。記事数は堂々のゼロ。ひまわりだけが寂しく咲き誇る、広大な更地がそこに誕生した。

しかもタチが悪いのは、ヘッダーを作った時点で「よし進んだぞ」と満足してしまい、その後ブログを作ったことすらきれいさっぱり忘れていたことだ。WordPressから定期的にお知らせメールが届いていたはずだが、他のメールに埋もれて完全スルー。罪悪感すら1ミリも発生しなかった。

驚くべきは、そこからだ。私はこの「何もない土地」に、3年間も管理費を払い続けたのである。

解約を考えなかったわけではない。だがいざ解約しようとすると、決まって契約期間が半年ほど残っているのだ。「まだ半年ある。その間に書くかもしれない」。そうやって3年が過ぎた。

ちなみにこれ、他でも同じことを多々やっている。年間契約の方が得だからと一括で払い、三日で使わなくなる。この「最初だけ課金する才能」、我ながら一貫性がある。

そして3年目。さすがの私も「あ、これ一生やらないやつだわ」と悟り、ようやく解約した。

ただ、再起動しようと思い立った時、ふと気づいた。 確か解約後も猶予期間内なら再開できるはずだ。 いつまでだったっけ、と確認してみたら、2月8日がちょうど期限だった。

つまり、猶予期間も終わっていた。 3年間ただ払い続けただけという事実が確定し、 さらにまた新しい料金が発生することになった。

ピンポイントすぎる。 もはや笑うしかない。ネタの神様が降りてきたとしか思えなかった。

というわけで、私は懲りずにまたお金を払い、ブログを始めた。

ただし、今回の私は一味違う。武器を「キーボード」から「喉(音声入力)」に持ち替えたのだ。

これが、革命だった。
マイクに向かって、ただ喋る。「えー」とか「あのー」とか、私の脳内のノイズをそのまま放流する。誤字脱字まみれの音声を、AI(我が相棒・トムさん)が瞬時に拾い上げ、なんなら私本人が書くよりも「ちゃんとした文章」に整えてくれるのだ。

意外と全然喋れた。しかもAIの変換精度が思いのほか高くて、「めっちゃ頭いいわ」と素直に感動した。誤字脱字だらけの音声をちゃんと理解してくれる、その賢さには素直に脱帽である。

自分の口癖が「えっと」まみれであることを突きつけられ、少々複雑な気持ちにはなるが、その「整いすぎない生っぽさ」こそが今の私には心地いい。

「きっちり書こう」とすれば、またひまわりだけが咲く更地に戻ってしまうだろう。だから今は、「とりあえず喋る」を最優先にしている。

3年間ゼロだった記事が、今こうして数日続いている。
その事実だけで、今の私は自分を盛大に褒めてやりたい気分だ。

あの時「まず試してみれば」と言ってくれた知人の言葉、今なら素直に聞けた気がする。
……3年越しで。

【ついでに気づいたこと】
・年間契約の方が得だからと一括で払い、三日で使わなくなる才能は、わりと一貫性があるらしい。
・年間契約より月額の方が向いている人間がいるらしい。私がそれだった。
・「まず試してみれば」という助言は、やる気満々の時には1ミリも届かないらしい。3年越しに効いてきた。

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